自らリブランディングをはじめる組織ってすごくないですか(真顔)

この1ヶ月、珍しく私宛にリブランディングのご相談が3件もあった。

(Messengerでいただいた内容)

 

DxP(ディーピー)に来る前は、ブランド経営コンサルタントの師匠の下で働いていたので、関西で「NPOのブランド戦略」というトピックスを考えるとき、入谷佐知の顔を思い浮かべていただけることがあるみたいです。(ありがとうございます)

昔、ブランド戦略の仕事をさせていただいていたとき、わたしは、コンサルタントとして「納品」するような気持ちでプロジェクトに関わっていた。

タグラインをつくる。
ミッション/ビジョンをつくる。
価値規範をつくる。
広報メッセージをつくる。

それがクライアントへの納品物、という感覚を持っていて。

でも、DxPに来て広報をしていると、DxPの広報メッセージを「納品」しても、「やっぱとっかえよう!」となる。いったんつくったタグラインも、説明文章も、どんどん変わる。「納品」したものが、霞むよう。

3-4ヶ月に1度くらいのペースで文言が変わるし、下手すると1ヶ月以内で、言葉が変わる。なぜなら、DxPのできることが変わり、高校生が変わり、時代が変わるから。しかも、恐ろしいスピードで。DxPの成長スピードや時代の変化にあわせて、広報で選ぶ言葉を変えまくってきた5年だった。

わたし、いまになって思うのは、

価値を出していける組織って、ずっと続く強い価値と言葉がある組織じゃなくて、自分たちのやってきたことに疑問符をちゃんと置ける組織かどうか?じゃないかと、思うんです。

 

「俺らのやってることほんとに価値あるっけ?」と問えるか。
過去がんばってつくったものを、否定できるか。
現場の実態に沿って、言葉を変えられるか。
時代の変化と経営の意志決定に沿って、言葉を変えられるか。

そういう、変われる組織が、強いんじゃないかと。

変わるには、スタッフ同士が違和感を表明できる関係である必要があるし、
違和感が伝えられたときに、その意見を受け入れようとする関係であるといいし、
変える!となったら、ちゃんと行動に移せる(思ってるだけじゃなくて、実行する)スピード感もいるし、
社会の変化と、普遍性を敏感に察知して情報を取り込める組織である必要もある。
定期的なオフサイトミーティングの場もいるだろう。

スタッフの言葉を「またなんか瑣末なこと言ってる…」なんて言わない経営者が必要だし、
経営者の言葉を「代表はまた余計な案件引っ掛けてきて〜」なんて言わないスタッフが必要だ。

「あなたの言ってることはわかった。でも、わたしはこう思う。」

信頼しつつも、遠慮なくそう言える間柄のスタッフが構成する組織だったら、強い。

そうすると、組織の中の自浄作用のようなものが働く。びっくりするんだけど、なんと、組織が自分で、リブランディングをはじめる。わたしは、この数ヶ月、組織が自分でリブランディングをはじめていくダイナミズムみたいなものを感じた。

いや、すごくないですか。

わたしはブランド戦略のコンサルタントだったんですよ。
端くれだけど、一応。

でも、外部からのフィードバックなく(厳密には上手に外部の声をとりいれてるけど)組織自身が自分で殻を脱いでいき、自分で言葉を見つけていく。

この恐ろしさとか、凄まじさに、あらためて目を見張っていて。

やっぱり、DxPで働くの楽しい。

というのが、私の結論です。

 

※ちなみに重要な点ですが、私の師匠がブランド経営コンサルタントとして出していた価値は、もちろん「納品物」それ自体もそうなんだけど、それ以上に、深く経営者さんやマネジャーさんとつながり、ディスカッションしあえる、その信頼に基づいた関係性とやりとり自体が価値だったんじゃないかなって思うんです。その関係性や「揺さぶり」が、その組織に変化をもたらしていたのかもしれないな、と。